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おもかげ終演


【おもかげ】吉尾悠希&乗田晏妙デュオコンサートが終演した。


このコンサートはロベルト・シューマンという人物の「おもかげ」に想いを馳せることを目的としたコンサートで、やはり彼の作品を中心に演奏するコンサートとなった。

結果として、ミステリアス・モーニングIIIという楽曲以外はヴァイオリンのための楽曲、アンコールは歌曲という、いささかサクソフォンの通常のコンサートのイメージから離れる演奏会になったように思う。


私はこのプログラムに必然性を見出して演奏したつもりだ。

もちろんどの楽曲もすごく難しく、多分もっと説得力のある演奏をするためにより得意なレパートリーを選択して演奏することもきっと出来たとはとても強く思う。

しかしヴァイオリンソナタのような超難曲を演奏しようと思えば多分若い時期にしか演奏出来ないし、やはりタイミングとしても今しかなかったのではないかな、と思う。10年後に幸運にサックスを吹き続けられたとして、果たして同じプログラムで演奏ができるのだろうか…。

そう思うと今日の演奏会は自分にとってもある種の奇跡であるように思う。

もちろん今日の演奏は完璧とはとても言えない、変なミスもくだらないミスもたくさんしたし、もしかしたらお客様につまらない想いをさせてしまった部分もあるかもしれない。

それでも意地は張った。と思う。


今回は通常のコンサート以上に楽曲解説にも力を入れた。文字数6120文字。いや量で勝負という心づもりは毛頭ないのだが、演奏時間もそれ相応に長大になるこのコンサートのために、それ相応に読み応えのある情報量というのは必須事項…とは思っていた。

親とか恩師の影響でブログを細々と書くことの習慣がついていたおかげで、たくさんの文章を書いていくこと自体に抵抗がなかった結果、こうして充実した読み物を作ることができるのは、結果的にとても良かったことだよな、とも思う。その読み物が面白いのかどうかは分からんけれども。


メインに演奏したシューマンのop.121は、私が高校生の時に初めて演奏を聴いて、それから「いつか演奏を…」と強く願った楽曲だった。当時から持っている楽譜を使って今日までさらってきたし、そして最後にはその楽譜から離れて演奏出来たことも、一人の演奏者として、また一つ「やってきたこと」の積み重ねになるのかな、と少しくらいは自分のことを認めることもしたいなと思う。


とにかくまずは、ご来場くださった皆様に深く御礼申し上げたい。

そしてこれからも頑張ります、頑張り続けられる人でいたい。

 
 
 

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