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執筆者の写真Yuki Yoshio

噛み依存脱却作戦

先月上旬で一旦バリトンの演奏週間が終わり、3月はテナーとアルトを中心に練習する日々だった。


特にアルトを演奏するにあたって、より演奏やコントロールに自由さを追求することを考えた時に、やはり奏法を少し見直す必要がある気がしていて、ココ最近の練習では主にアンブシュア周りのことをよく考えながら練習をしていたように思う。

もちろん差し迫る本番もあるので、いつでもそればかり考えている訳にもいかないのだが、ひとまずまだ音色や音楽に反映される結果こそ出ていないものの、手応えのようなものは得られそうなので一旦記事にしておく事にした。


私は他の奏者に比べておそらく口周りの噛む力が強く、それ自体の善し悪しはさておいて、高倍音の発生率とその安定性がその奏法の強みだったように思う。

例えばフラジオなんかも正直あまり怖いと思ったことも無い。

しかし無意識下で噛むことに慣れたアンブシュアであると、いくらリラックスした状態で演奏をしたとしても、リラックス状態から音楽の方向性を変化させる時に噛むことでしか新しい風を送り込めないジレンマに陥っているのではないか、と思うようになった。

あるいは特殊奏法時、一定のラインまでは再現出来るにも関わらず、その持続や安定がなかなか見込めず、特殊奏法の類に関しての悩みや不安感というのはここ数年完全に消えきっていない感覚だった。無伴奏ものとかで多用していたけど、それもかなり無謀なやり方だったんじゃないかなと思う。

レッスンを受けないでいると、自分自身の奏法もやはり無意識のうちに固まるというか、まあそれが「基礎が固まる」ということでもあるのだけれども、必ずしも良い方向だけに転ぶものじゃないと思った。

そこで先月中の練習では、アンブシュアの点検と検証に一定の時間を裂きつつ、まずは特殊奏法系の不安感を消すことを目的とした基礎練習を行うようにしていた。

結果的に、自分の練習時間を継続的に確保出来たこともあり、奏法を用意した上での再現性はだいぶん高めることが出来てきているように思うが、例えば通しや本番時になると、やはりまだ、今まで長年さらう中で身についた血が騒いでしまい、上手くいかない部分が多くなってしまうように思う。

しかし練習時だけでも具体的に、循環時の安定性向上、連続するスラップタンギングの速度と音量の工場、テヌートスラップのレスポンス改善、口周りへの新たなフィードバック感覚を得るなど、さまざまな言葉にできる経験値を得ることが出来た。


練習時間こそ満足に確保するのが難しい日々だが、ひとまず先月の練習全般のやり方は成功に近い形が得られたのではないかと思う。

1日単位ではなく、ある程度の期間を持って練習の調整が上手くいく経験というのも自分としては少し珍しいので、それも少し嬉しかったりする。


ここから派生して久しぶりに自分なりの基礎練習メニューを新たに作り出すなどの創造性も発揮することが出来た。良いサイクルだと思うので、上手に続けていきたい。

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