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執筆者の写真Yuki Yoshio

ゆうやけ

普段と違う場所に行くと普段と違う景色が見れる。

それはもちろん喜ばしいことだが積極的に外に行く性格でも無いので難しい。


数年ぶりに大学時代にお世話になった先生のコンサートへお邪魔した。

たぶんこだわっているであろう、でも私などでは到底気づけないような事柄の数々が素晴らしい音楽を作っているのだろう…と思う。


私はこれから素晴らしいホールで、人に本心から喜んで貰える音楽を演奏し続けられるのだろうか。いや、今も自信なんかこれっぽっちも無いんだけど。なんだか今はそんな自信はこれっぽっちも持てない。自分の良しとする芸術、それぞれの芸術に対する理想は絶対に誰しも孤独なはずなのだ、右向け右の芸術観が横行していくだろうこの世の中で、その孤独は本当にただの独善になってしまうのでは無いかと思ってしまう。


いつだか、自分の目標に「自分に自信をプレゼントする」って掲げたことがあったが、あんなもの、虚勢を張るためのまやかしだったなと改めて思う。


私は音楽における自分の言葉を失いつつあるのではないだろうか。

それに対し抵抗する力も、意思ももう無いのだとしたら、それは芸術の権利に対する放棄だ。


私の芸術観に春は来ない。

しかし、それを美しく感じる自分がいる。

しかしそれが浸透する日が来てしまったら、結局芸術など安売りの賞味期限切れの何かと変わらなくなってしまうんだろうと思う。


と。なんか悲観的な自分に酔う1日だった。

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